たろう氏のブログ

全てノンフィクションです

【①コニタン物語(下巻)〜陸上競技大会の奇跡〜】

・コニタンとのLINE交換の天王山となる課の飲み会が10月中旬に催される予定だったが、未熟な幹事の調整不足により1ヶ月の延期を余儀なくされた。

・なお、未熟な幹事の名は「O」という例の危険人物である。コイツめ、やはりやってくれる。

・飲み会の1ヶ月延期に大いに落胆するたろう氏であったが、ここで奇跡が起こる。

・9月下旬に陸上競技大会があり、運営スタッフとして課から4名の協力者が必要となったところ、なんと、これにたろう氏とコニタンが選ばれたのだった。

・まさに捨てる神あれば拾う神あり!たろう氏はこの千載一遇の機会を決して逃さぬよう万全の準備を施した。

・待ちに待った当日、会場(陸上競技場)には100人以上の関係者がおり、まさしく衆人環視の状態。こんな状態で自分の仕事が出来るのだろうか。

・しかし、競技者並みの使命感に満ちたこの日のたろう氏は一瞬の隙も見逃さなかった。運搬作業の都合で奇跡的に医務室でコニタンと2人っきりになる時間があり、LINE交換のミッションを見事達成することができたのである。

・「今日バタバタしててお互い連絡取り合う機会もありそうだから、今のうちに連絡先聞いといてもいい?」練りに練った台詞をたろう氏が読み上げると、「ありがとうございます!」とコニタンは二つ返事でLINE交換に応じてくれた。う嬉しい!嬉しすぎる瞬間だった。

・「ありがとうございます!」というコニタンの言葉の真意は読み取れなかったが、拒むことなくすぐにスマホを差し出してくれたことが幸せだった。この医務室でのやりとりは一生忘れないだろう。

・思い起こすと、たろう氏は社会人になってから12年、職場の人に自分の方から連絡先を聞いたことは男性女性問わず1度もなかった。職務の範疇を越えて関係を深めたいと思える人物は職場には存在しなかったのである。それだけコニタンの存在は特別だったのだ。

・LINE交換をした後は、仕事をしながら一緒に会話をしたり、競技場の国旗を2人で仲良く掲揚したりと幸せな時間を過ごした。

・そして、仕事が終わった後は一緒に駅まで歩いて帰り、流れでスムーズに夕食に誘う事ができた。

・「どこ行きますか?」となり、出張先からコニタン最寄駅の間のターミナル駅である大手町へ移動。

・まさに有頂天のたろう氏であったが、ここまでは全てたろう氏の計画通り。大手町を決戦の地と睨み事前に入念な現地視察まで行なっていた。

・夕食まで時間があったため、丸の内の丸善で少し時間を潰すことにした。コニタンはマンガが好きというオフィシャル情報があったため、マンガコーナーに連れて行き、とても楽しい時間を過ごした。なお、これも計画通り。

・夕食はオシャレさがありながらも頑張ってる感を出さない店の選出を心掛け、絶妙のバランスを持つ大戸屋をチョイス。お高い店が多い大手町だけに現地視察をしておいて本当に良かった。

・夕食を食べながら色々おしゃべりをした。やっぱりコニタンは聞き上手で些細なことでも何でも気持ちよく話することができた。

・コニタンの方も仕事の愚痴など色々話してくれた。業務上あまり利害関係のないたろう氏には話がしやすかったのだろう。

・普段仕事を一生懸命頑張っているコニタンが愚痴をこぼす姿はとても可愛らしく心に刺さった。

・会話をしながら何度もコニタンと見つめ合った。意識的に5秒近く目を合わせられたのではないだろうか。幸せな時間である。

いちご100%集英社)によると、3秒目が合えば脈ありとのことだったので、たろう氏は歓喜していた。

・食事の手も止まり、気がつけば1時間半近くも話し込んでいた。

・帰りの電車もおしゃべりしながら帰った。

・女性とのデート(たろう氏にとって)は久しぶりであり、恋愛をすることの嬉しさが込み上げていた。やっぱり好きな子とのデートって最高だよな。この胸のトキメキは何年振りだろう。

・別れてからはその日のうちにすぐLINE。「今日はありがとね」くらいの内容で、ガッつかないようにすぐ切り上げた。

・たろう氏は、長年憧れていたコニタンとの距離を一気に詰めることが出来たことだけでなく、緻密な計画を確実にこなすデスノート夜神月スターウォーズパルパティーンに自分の姿を重ね悦に浸るのであった。

・ここまでが「陸上競技大会の奇跡」。

・そして、コニタンとのLINEはその後たったの2通で「既読スルー」という形で終焉を迎えることになった。職場でも何となく避けられている様に感じている。

・たろう氏は現実を思い出した。「そうだった。恋愛って無理ゲーなんだった。」


つづく