たろう氏のブログ

全てノンフィクションです

【②家庭内有事発生(上巻)〜たろう氏と灰原嫁〜】

・有事とは、何もロシアとウクライナの間だけに起こるものではない。どこの家庭にも起こりうるものなのである...。

 


・彼女との出逢いは今から7年前に遡る。3月の日差しがとても暖かい日だったのではないかと記憶している。

・出逢いの場は街のバレーボールサークル。学生から中年まで老若男女みんなで楽しくバレーボールが出来る居心地の良いサークルだった。

・たろう氏は高校で1年半ほどバレーボールをしていた程度の実力であったが、健康のため、そして願わくば良い出逢いがあれば...というほんの僅かな下心を胸に週末のバレーボールに勤しんでいた。

・そんな中彼女との出逢いは訪れた。チーム分けをしてたまたま同じチームだったので、「学生さんですか?」とたろう氏の方から声を掛けたのが始まりだ。

・(この時彼女が本当に学生に見えたのかどうか現在の記憶では定かではないが、とりあえず若く見られた方が女性は喜ぶのではないかというたろう氏渾身の恋愛テクニックがここに披露されたものと考えられる)

・「いや全然社会人です!」彼女はその様に答えた。後で聞いたら同い年(当時26歳)だと判明。むしろ童顔のたろう氏の方がおべっか抜きで高校生くらいに見えたとのことだった。

・彼女は理系女子で研究の仕事をしていた。その上やや無愛想な表情や髪型も相俟って、彼女はまるで名探偵コナン灰原哀を実写化した様な雰囲気の女性だった。(以降、彼女を灰原嫁と記載)

・灰原嫁とサークル活動後に連絡先を交換したが、たろう氏は正直そこまで期待をしていなかった。過去にサークル内で連絡先交換をした人が片手に収まる程度の数はいたが、恋仲に発展した人は1人もいなかったためだ。

・というよりもたろう氏は恋愛において全戦全敗。勝率0割0分0厘。セリーグのピッチャーをバッターボックスに立たせた方がまだ夢があった。

・しかし、灰原嫁との関係はたろう氏の予想に反した。2人の関係はまさしくとんとん拍子で深まっていったのである。

・きっかけは何だったのだろうか。家庭環境が似ていたことや趣味が合うこと、一緒にいて居心地が良かったことなどもあり、「なんか、灰原嫁のことずっと昔から知っている様な気がする」とLINEで何となしに伝えられたあたりだろうか。向こうから「あたしも同じ様に想ってた」と返ってきたのには大変驚いた。

・好きなんだけどただの好きとはちょっと違う何かがあった。それが何だったのかは今でも説明がつかない。

・3月に出逢ったばかりの2人は4月初めに交際を開始し、5月のGWには枕を交わす間柄になっていた。

・ここで1つ自分の名誉の為に申し添えておくが、たろう氏はけっして遊び人ではない。むしろ、前述の通りたろう氏は紛うことなき恋愛弱者である。

・さらに特筆すべきは、手を繋ぐことも最初のキスも叡智も向こうからだったことだ。

・「灰原嫁って積極的だよねー」みたいなことを何かの折にたろう氏が言ったことがあったが、「そんなことない!あなただからそうしているだけ!」という激甘な返事が返ってきたこともあった。

・そして、控えめに言って、灰原嫁との叡智は最高だった。そこには、お互いが愛し合っているからという人間的な理屈を遥かに超越した動物の本能とも言うべき相性の良さがある様に思えた。

・2人は何度も何度も求め合った。一緒にいられることが幸せだった。

・約1年半の交際期間を経て2人は結婚。その後は2度の引越やたろう氏の転職などもあり、生活の変化の中で喧嘩をすることもあったが、全ての問題は叡智の魔法によっていとも簡単に解消されていた。

・この頃は良かった。なお、これは思い出補正ではない。


つづく